アトピー・皮膚病について
患部に痒みがある
湿疹を大きく二通りのタイプに分けられる
A: 急性の場合 紅斑(赤み)丘疹(ブツブツ)滲出(ジュクジュク)皮むけ、痂皮(カサブタ)などがみられる。
B: 慢性の場合 皮膚が赤く、硬くなる。病変部はザラザラし、肌の苔癬化(ゴワゴワ 、鱗屑(皮むけ)がみられる。激しい痒みを伴うブツブツが現れ、掻き壊しが多い
湿疹の分布場所
アトピー性皮膚炎の発症しやすい部位は、額、眼のまわり、口のまわり、唇、耳のまわり、頭部、手足の関節部の内側、体幹、アトピー性皮膚炎に顕著な特徴は、ほぼ左右対称です。(例えば右手関節内側にあれば同じようなかんじで、左手関節内側にも)
年齢による特徴
乳幼児・・・・頭、頚部 が多い
幼小児期・・・頚部、手足の関節部が多い
思春期 成人期・・上半身(頭、顔、頸、胸、背中)に多い
症状の経過で判断する
悪くなったり良くなったりすることがアトピーの特徴なので、どうしても新旧の皮膚症状が混じっているのが通常になっている場合が多い。
以上、1から5の五項目を満たすもの・・・をアトピー性皮膚炎と診断します。
簡単に判段が付く疾病ではないことがお分かりいただけたでしょうか。
上記の『アトピー性皮膚炎』の症状をしっかりと踏まえた上で、【治療の段取り】を記します。中医学におけるアトピー性皮膚炎の漢方療法による治療は、オーダーメイドの治療
で、ステロイド剤が中心の西洋医学の治療法とは、全く異なったものだということです。
同じ患者さんであっても治療の進行により治療法が変化しますし、さらに大切なことは、アトピー性皮膚炎は、人間が作り出す病気です。生活習慣病に近いと言ってもいいでしょう。ですから、医師まかせでは治りません。50%は、患者さん自身がしっかりと、生活管理をして自然治癒力を強化し、あとの50%を、適確に漢方薬で治療する・・・ことで100%すなわち良くなるのです。病気により異なりますが、アトピー治療時の、すべて医者まかせは、厳しくいえば ★ひとまかせ、あなたまかせ★・・・の姿勢です。医師まかせではなく、自分の力でもアトピーを治そう・・という前向きな気持ちが大切になるのです。
中医学での治療方針は皮膚のトラブルを修復するだけでなく、原因そのものをつきとめて、体質を改善させることにあります。多くの患者が、ステロイド療法を経験しているので、その副作用のケアーや、応急処置としてのステロイド剤の効能も否定しない、所謂、「中西医結合治療」の懐の深さを持っています。ステロイド剤という武器だけを中心にアトピーという敵と戦うことは、とても困難なのです。・・・・大きな流れとして・・・・・
第一段階
まず急性発作をおさめる。皮膚表面の紅班(赤み)丘疹(ぶつぶつ)滲出(じゅくじゅく)などの症状・・・湿熱をとる・・・清熱利湿涼血解毒します。
オーダーメイドですから、その人その人により異なりますが、「瀉火利湿顆粒」「黄連解毒等」「涼血清営顆粒」「五行草」「板藍根」、等々が繁用処方です。
第二段階
次に体質改善に入る。 慢性的もしくは安定期等々、アトピー性皮膚炎の状態は、各人、それぞれでしょうが、皮膚のカサカサ、皮むけ、フケ、皮膚の肥厚など、そして痒みのために生じた傷も多少できています。 つまり、健康な皮膚は、皮膚表面に、皮脂膜が、充実していますが、あるべき皮脂膜の表面の外壁が、ほとんどない状態であり、カラダはその分、過敏になります。この段階での治療の主な目的は、身体の状態を、正常に整え、外壁が作れる様にすると同時に過敏な体質をも改善することです。漢方薬は、皮膚に栄養を提供し、乾燥状態を改善する漢方薬を主に用います。「当帰飲子」 「八仙丸」 「啓脾湯」 「婦宝当帰膠」等々が繁用処方です。
漢方薬治療においては、症状がおさまったからといって、中断するのでなく完全に脂質が改善されるまで長期的に服用することが理想的な治療方法です。
寒い季節には、決して薄着などはせず、カラダを温めてあげることがまず第一です。
そして、直接肌に触れる衣類の素材に気を付けて下さい。綿の肌着がベターですね。冬場毛糸はいけません。低刺激性のアクリルや綿を使用して下さい。
アトピー性皮膚炎をケアーする場合、外気や騒音から守られているような現代日本の住宅事情は、残念ながらより良いとはいえません。
昔の日本の住居の様に、程よく隙間風が入るような、換気が良く湿気の少ない事がベターです。ただし、日本には、四季がありますから、季節に応じての養生法です。
頻繁に換気を行う。花粉症があるばあい、一部屋に空気清浄器を備えて、他の部屋を開け放つなどの工夫を行なう。
エアコンによる乾燥と低温がアトピー性皮膚炎を悪化させるので、小まめに換気を行って自然の湿気を部屋に呼び込む。エアコンは温度を抑えて賢く利用する。
急激に乾燥する季節なので、スキンケアーに注意して、加湿器などを利用する。
エアコンの熱風は、部屋を極度に乾燥させる。昔ながらのストーブの上にヤカンというのが望ましいが、無理なら加湿器を利用し、換気は、小まめに行う。
・短時間入浴を心がける
・湯槽に浸かる時間は、トータルで10分以内とする
・湯の温度は38度くらいに設定する
・頻度は2,3日に1度で充分(夏場は毎日でも可)
・絶対に垢こすりは使わない。綿のタオルの摩擦もさける
・1週間に一度くらい、無添加低刺激性の石鹸を泡立てて身体につけ、やさしくさせって洗い流す程度でよい。これで古い角質細胞は綺麗になる
・シャンプーも無添加、低刺激性のものを使う。添加物の多いシャンプーは頬や手などに付着して、症状を悪化させる
・さら湯よりは保温成分配合の入浴剤などを入れたほうが良い。ただし、市販の入浴剤は添加物が多く含まれていることもあるので注意する。薬草などを入れる工夫が望ましい
(「誰も掛けなかったアトピー性皮膚炎の正体と根治法」より)